今年の世界大会は最高の形で締めくくる事ができた。
早いものでブルガリアから帰国して10日くらい経った。
世界大会を終えた次の日から体調を崩した。
それだけエネルギーを世界大会で使い切ったんだと思う。
その甲斐あって、今年のフットバッグの世界大会「World Footbag Championships 2018」にて初代総合優勝とシュレッド30部門でも優勝し世界一になりました!!!!
しかもおまけにフットバッグ界殿堂入りまで果たしました。
信じられない。
僕が15年抱き続けていた夢が2つ同時に叶った。
2014年にシュレッド30部門で優勝したけど、今回は全4種目の成績が好成績だった為に総合優勝も達成できたので2014年の時よりもう一段階難しいことを達成できた。
ついに殿堂入り!
また今回ついに入った殿堂はBAPと呼ばれ、BIG ADD POSSEの略。
要は単純にプレイヤーとして世界のフットバガーに衝撃を与えるプレイヤーが入れる。
実は日本では響きとしてはやっぱり「世界一」という方がすごい感じはするけどフットバッグ界ではこのBAPに入るというのは本当に難しい。
15年前フットバッグを始めた時から抱き続けてようやく入ることができた。
世界には約600万人のフットバッグ愛好者がいると言われているんだけど、このBAPメンバーは45年の歴史の中で79人だけ。
もちろん歴代のBAPメンバーはそれはもう人間の動きとは思えないような技をガンガン繰り出す。
そして面白いのはこのBAPメンバー、基本的にはアンダーグラウンドな括りのものでオフィシャルな表彰式などでは発表されない。
BAPメンバーが新たなBAPに入る人を選ぶんだけど、そのレベルに達していないという場合は1年を通して誰も選出されなかったりもする。
基本的には発表は世界大会後でなんだけど大会の成績は考慮されない。
あくまでBAPにふさわしいレベルに達している人が選出されるからとても難しい。
BAPメンバーになるとBAPネームというものをもらえる。
基本的には氏名の間に入るミドルネームとして使用される。
今回僕に与えられたBAPネームが”SHURIKEN”!
TAISHI “SHURIKEN” ISHIDA。
歴代のBAPメンバーが会議でBAPに入る人とニックネームを決めるんだけど、完全にこれは僕が日本人だからだろうな。
最初は聞いた時「マジか。このBAPネームはどうなの?」と思ったけど、段々と自分の中でしっくりとくるようになった。
基本的にはそのプレイヤーのプレースタイルがBAPネームに反映されやすいんだけど、確かに僕のプレーは人よりも動きが素早くて手裏剣のようにも見えるかもしれない。
そういった動きからインスパイアされてそのネーミングになったんだと思う。
基本的にはこうした日本語名ではなくて英語の単語が使われる事が多いんだけど、SHURIKENというのは日本人に馴染みが深いものだからこれからイベントに出演する際にはみんなにわかりやすくて結果良かったなと思う。
そしてこのBAPネーム、基本的には剥奪はないので今回BAPメンバーに入れた事は僕にとって本当に嬉しい事だった!!
15年だよ。
15年前にフットバッグを始めた時にBAPという制度がある事を知り、そのプレイヤー達が僕にとっての本当に憧れだった。
最初は2014年に世界大会を優勝した時にもしかしたらBAPに入れるんじゃないかと思った。
だけど結果、候補までは行ったものの入れず。
その後2015年、2016年、2017年とも候補にまでは入るが選出されなかった。
そして気づいた。
これは大会の成績関係ないのかと。
今回確かに世界大会は優勝したけど、BAPメンバーは大会の成績は考慮していないと今回の大会終了後に明言している。
それでも今年入れたのはもしかしたら僕がようやくそのレベルに達したのかもしれない。
ただ個人的には僕の技術はまだまだだと思っている。
だけどそれでもこうしてBAPメンバーに入れてもらった事で僕はさらにモチベーションが上がっている。
今回達成できた世界一について。
2014年に世界一になった時は初めて「ZONE」というものに入った。
あれは間違いない。
フットバッグは通常、早く上がって早く落ちてくるように感じるんだけど、そのフットバッグがスローモーションに感じた。
爆音の音楽が鳴っていたのに無音。
人の歓声も全く聞こえない。
ゆっくりと流れる目の前の景色とボール。
頭の中は「次はあの技を出す」と考える余裕があるほどにフットバッグはゆっくり目の前で上下していた。
ただそれは2014年の本番1回だけの話。
それ以降、大会でもイベントのパフォーマンスでもその感覚に再び出会う事はできていない。
実は今回優勝はできたけどこのZONEは今回も入れなかった。
ボールは早く落ちてきて焦りながら必死に食らいついた感じ。
それなのになぜ優勝できたか。
それは今回はZONEではなく大会を通して「運」がとにかく良かった。
今回の世界大会を振り返るとそれに尽きる。
予選の組み合わせから相手の出来まで何もかも。
特にシュレッド30を優勝できたのは紛れもなく運だった。
今回の僕のスコアは220点ほど。
2014年に優勝した時は242点だった。
220点というのは歴代の優勝スコアの中でも極めて低いスコアだ。
それでも勝てたのは他の選手も大きくミスをしてくれたから。
こういう運の良さは今回際立っていた。
じゃあなんで運が良かったんだろうと考えてみるとスッと出てきたのがやはり多くの方に応援、サポートしてもらったからだとすぐに答えが出た。
2014年の時にもこの感覚は同じだった。
2014年の時は練習で何百回やってもミスをしたのに本番の1回だけノーミス。
これは紛れもなく僕の力を120%引き出してくれた皆さんの応援に他ならない。
その時はその応援が技術面に反映された。
そして今回はその応援が「運」を引き寄せた。
結果に対して優れた過程の形こそ違うけどどちらも紛れもなく応援があったからだとハッキリと言える。
昔はスポーツのインタビューで「皆さんの応援のおかげです!」っていうのを見る事が良くあったけど「そんな事本当にあるのか?」と疑問に感じていた。
だけど2014年からSNSで発信したり現地には1人で参戦しても応援は多くの方にしてもらってから状況が一変。
自分の肌でその「応援のおかげ」を知る事ができた。
本当にありがとうございました。
今回の世界一とBAPメンバー入り。
本当に良かった。
15年前から見ていた2つの夢が同時に叶ってしまって今後の目標を見失うほどだった。
それでも前述したようにもっとうまくなりたいとモチベーションは上がっているし、今回シングルルーチン部門では2位だったので次こそはこの部門でも優勝してみたいと強く思っている。
それに加え、選手として以外でもこのフットバッグを広めていく使命がある。
これからも積極的にプロフットバッグプレイヤーとして活動していくので皆さん応援宜しくお願い致します!!
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